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施設長ブログ

福井ARC施設長が思ったこと、感じたことなど自由に綴っています

I Can,t ; We Can !!   epi 1

メンバーのお話やエピソードをこれから少しづつお話しできればと思っています。

今回はハワイのリージョナブルコンベンションで毎年会える1人のNAの仲間です。

 

 カリフォルニア州からやってきたNAメンバーの〈J〉は背の高さは180cmと少し、

体重は400ポンド、約180kgの身体を右へ左へ、ゆっさゆっさ揺らしながら歩きます。「ハイ アンディー ハウユウドゥイング」ひげ面の中からこぼれんばかりの笑顔をあふれさせて ハグ してくるのですが、体が太くて手が回りません。

ホノルルのダウンタウンキリスト教の教会の前、つまりNAミーティング場の前で

1年ぶりの再会を喜び合います。

同じNAメンバーとしてだけではなく、なぜか気の合う友人として

ハワイに滞在している間は彼と一緒に過ごす時間が多くなります。

共通の趣味の中で特にオートバイの話が、お互い最も盛り上がります。

話だけでなく実際にレンタルしたオートバイでツーリングします。

2人だけでぶっ飛ばすこともあれば、7~8名でのんびりと走ることもあります。

オアフ島のパイナップル畑の真ん中を突っ切ってオハナハレイからノースショワまで

ハーレーダビットソンで海老の養殖場へ行き、エビを食べる約束をします。

そういった話をひとしきりしているうちにNAミーティングの始まる時間になります。

そう、ここはNAミーティング場のまえでの立ち話ですから、私は 〈J〉 にNAミーティングへの参加をうながします。

すると彼は申し訳なさそうに別の部屋を指さして、今日は自分は別のミーティングに出たい、終わる時間は同じだから、ここで待ち合わせていっしょに夕食を食べようと

わけの判らないことを言いはじめます。

見るとその部屋の小さな看板には OA と記されているではありませんか。

理解できました。

彼は 薬物(ヘロイン)から解放され、とりあえずは薬物から遠ざかっていることが

出来ていて、今の彼の第一の問題は 薬物 ではなく 食べ過ぎ つまり 過食の

方が問題になってしまっていたようです。

それで オーバーイーターズアノニマス  OA〔摂食障害〕 のミーティングに

出る必要があるということでした。

彼は OA 私は NA それぞれのミーテイングに参加して、待ち合わせ

 〈J〉 と何人かのNAの仲間もいっしょに晩ご飯です。

翌日の午前中私は一人、スキューバーダイビング (〈J〉はダイビングはしません)

そして午後は 〈J〉 とエビを食べていることでしょう。

そんな 〈J〉 の口癖が 

I Can,t;We Can!!    なのです。

私にはできない、我々にはできる。

この言葉を実につまらない事にも良く使います。もちろん大切な時にはなおさらです。

「あの店で私たちの希望しているハーレーダビットソンがレンタル出来るだろうか。」

との問いかけにも彼は 「2人そろっていればなんでも出来るさ。」

といった意味でこのフレーズを使うのです。

ことばの使い方はややラフですが、1人でやめられなかった薬物が仲間といっしょなら

やめられた。その他のことも仲間となら解決した。

こういった気持ちが生き生きと伝わって来ます。

その仲間思いの彼の気持ちが、私にも伝染病のようにうつりました。

「なあ 〈J〉 仲間のバースデーには色紙にお祝いの言葉を書くだろう?

私は最近、色紙に書く私の言葉として 〈J〉 の口癖になっている

I Can,t;We Can!! を使わせてもらっているよ。」

彼に白状しました。  彼は

「アンディー けしからん それはパクリだよ。」

かれの髭(beard)の中から いつにも増してこぼれんばかりの笑顔が現れました。